2025 年 10 月の連鎖清算
一晩で市場全体のレバレッジポジションが次々に崩れた。価格、オラクル、自動デレバレッジはそれぞれ何をしたのか?
2026 年 9 月時点で確認。出来事を扱うページでは、まず最後の「古くなる情報」を読んでください。
何が起きたか
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025 年 10 月 10 日から 11 日 | マクロ経済に関するニュースの後、暗号資産が数時間で急落しました。当時の複数のデータサービスによると、24 時間以内の強制清算額は記録上最大で、100 億ドルを超える規模でした |
| 同じ夜 | ある大手取引所が内部評価に使うステーブルコインの価格が一時的に大きく乖離し、それを担保とする一部のポジションが清算されました。取引所は後に補償しました |
| 同じ夜 | 一部の無期限先物プラットフォームで自動デレバレッジが発動し、損失側の不足を埋めるために、利益の出ている一部のポジションが強制的に決済されました |
講座のモデルで分解する
なぜ連鎖するのか
第 16 章と第 18 章で扱うフィードバックです。価格下落 → 担保の価値低下 → 強制清算による売却 → さらなる価格下落。一つずつ見れば各プラットフォームは規則に従っていますが、全体では第 21 章の下降スパイラルになります。レバレッジが高いほど、最初の一周を起こす下落幅は小さくなります。
誰が価格を決めたのか
T21 は、チェーンが外部の価格を知るためのオラクルを扱います。この夜に露呈した問題の一つは、プラットフォーム内部の評価価格が、外部で実際に約定できる価格とは限らないことです。内部の薄い板だけを参照すると、一件の大きな売り注文で担保が大きく下落したように見え、本来は起きるべきでない清算が発動します。第 24 章の「価格操作」と同じ仕組みですが、この場合は意図的な操作をする人さえ必要ありません。
なぜ利益の出ているポジションも決済されたのか
T23では、無期限先物のリスクエンジンを扱います。損失側の証拠金が足りなければ、まず保険基金が不足を埋めます。それでも足りなければ、システムは利益側から取るしかありません。利益とレバレッジで順位を付け、一部を強制決済します。第 18 章の実例にも、「利益の出ているポジションも決済される」が登場します。この夜は、それが最大規模で起きた例でした。
持ち帰る仕組み
- 強制清算はフィードバックを生むため、一つのプラットフォームの規則が合理的でも、すべてのプラットフォームによる同時売却を止められません。
- 評価価格と約定価格は別物です。オラクルが一つの薄い市場に依存するほど、極端な状況で誤作動しやすくなります。
- 不足は必ず誰かが埋めます。証拠金 → 保険基金 → 利益側。第 23 章のリスクエンジンは、この順序を規則として固定します。
十八の問い
順に、ポジションの保有者、プラットフォームの保険基金、最後はレバレッジの失敗をしていなくても自動デレバレッジされる利益側です。
下落時にはマーケットメーカーが注文を取り消し、板の厚みが急速に減ります。流動性が最も必要なときに、最も少なくなるのです(第 15 章)。
自分で確かめる
無期限先物プラットフォームがその夜について出した公式説明を探し、使用したマーク価格、保険基金の使用額、自動デレバレッジの発動有無を書き出します。
オンチェーンのデータサービスでその夜の清算データを探し、出典と集計方法を明記します(第 23 章:数字を見る前に集計の定義を決める)。
第 16 章の健全性の式を使い、10 倍のレバレッジをかけたポジションが、その夜の最大下落率で清算されるか計算します。
古くなる情報
- 各プラットフォームで集計方法が異なります。数字は元データで確認してください。このページには具体的な金額を意図的に記載していません。
- 事後に、マーク価格、保険基金、自動デレバレッジの規則が変更されたプラットフォームがあります。読む時点の最新版を確認してください。