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x402:HTTP 402 で実際に支払う

数十年間使い道が定まらなかったステータスコードで API 呼び出しに課金する。機械同士の支払いは、どのコストを変えるのか?

2026 年 9 月時点で確認。出来事を扱うページでは、まず最後の「古くなる情報」を読んでください。

何が起きたか

時期出来事
HTTP の初期「支払いが必要」を意味するステータスコード 402 が予約されましたが、標準的な使い方は定まりませんでした
2025 年 5 月大手暗号資産取引プラットフォームが x402 プロトコルを公開しました。未払いの要求にはサーバーが 402 と支払い条件を返し、クライアントはステーブルコインで支払った後、支払い証明を添えて再要求します
2025 年後半複数のインフラ企業が対応を発表し、AI Agent 向けの従量課金インターフェースが登場しました

講座のモデルで分解する

第 35 章で扱った問題そのもの

第 35 章では、機械同士が API 呼び出し一回分をどう支払うかを考えます。その章の「実例」には、「数十年間使い道が定まらなかったステータスコード」という展示があります。x402 は、その空白を埋める一つの方法です。

手順は四つだけです。

  1. 要求する
  2. 402 と支払い条件が返る
  3. チェーン上で支払う
  4. 証明を添えて再要求し、結果を受け取る
支払いが要求の一部となり、事前の口座開設、契約、チャージが不要になります。

どのコストが変わるのか

第 35 章では、支払いの粒度を月額契約、前払い、毎回のオンチェーン支払い、記帳後の一括決済に分けています。x402 が選ぶのは毎回の支払いです。削減するのは支払い関係を作るコストです。Agent が初めて API にアクセスするとき、人が代わりにアカウントを登録し、カードを紐づけ、契約する必要がなくなります(第 33 章:身分証のないソフトウェアはどう口座を開くか)。

削減されないのは一件ごとの決済コストです。したがって、ステーブルコインの送金が十分に安く、決済も十分に速いことが前提になります。高頻度の呼び出しでは、第 35 章の「計測してまとめて決済する」方法のほうが、依然として安く済みます。

誰がリスクを負うのか

第 34 章の問いに沿って考えます。自動で支払うプログラムにウォレットを渡す前に、どこに安全装置を置くべきでしょうか。

  • 限度額:一回、一日、受取人ごとの上限。
  • 許可リスト:事前に許可したサービスにだけ支払う。
  • 取り消せるセッション鍵を使い、主鍵は渡さない。

自分で支払える Agent にとって、よくある損失は盗難よりも、払うべきでないお金を払うよう誘導されることです。プロンプトインジェクションに、もっともらしい 402 応答が組み合わされます(T33、T34)。

持ち帰る仕組み

  • 支払いをプロトコルに組み込むと、最初に下がるのは一件ごとの費用ではなく、「支払いを始める」費用です。
  • 支払いの粒度が細かいほど、限度額と許可リストが重要になります。百万回の呼び出しを一件ずつ人が承認することはできません。
  • 機械の支払いは、人とは異なる安全モデルを必要とします。リンクをクリックするよう騙されなくても、文章で説得されます。

十八の問い

15
なぜエージェントにウォレットが必要なのか?

人が関与せずに支払いを完了し、支払ったことを証明する必要があるからです。従来の方法では、どちらにも先に人が口座を開く必要があります。

16
エージェントにはどんな権限があるか?

許可リストにあるサービスだけに支払い、一回と一日の上限を設け、鍵をいつでも取り消せるようにします。権限が小さいほど、失敗時の損失も限定されます。

17
AI が間違えたとき、損失を負うのは誰か?

Agent が誘導されて支払うと、お金はすでにチェーン上で決済され、取り戻せません。損失の上限は事後の責任追及ではなく、安全装置を設ける人が事前に決めます。

自分で確かめる

実践x402 の仕様を読み、支払いの全過程を図にする公開されているプロトコル仕様とサンプルコード0、閲覧のみ。実際の資金で試さない

仕様の原文を探し、402 応答に含まれる項目を書き出します。金額、通貨、受取アドレス、有効期限を確認します。

呼び出し一回のシーケンス図を描きます。クライアント、サーバー、チェーン、その間で支払いを検証する主体を入れます。

安全装置を置ける場所を三つ示し、第 34 章のチェックリストと照合します。

古くなる情報

  • プロトコルのバージョン、対応チェーンと通貨、参加企業は急速に変化しています。
  • 機械の支払いには競合する方式もあり、どれが標準になるかはまだ決まっていません。第 35 章の「標準はどう勝つのか」で扱うのは、まさにこの過程です。

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